利用者の身体機能回復を支えるリハビリ職

リハビリテーションを提供する職種は多岐にわたる。
まず、理学療法士(PT)は、利用者の身体機能の改善や維持を目指してリハビリを行う職種だ。
理学療法士は運動療法やマッサージ、電気刺激などを用いて、利用者の筋力や柔軟性、バランス能力の向上をサポートする。
例えば、手術後の回復期において、歩行訓練や関節の可動域の改善を行うことが多い。

次に、作業療法士(OT)は、利用者が自立して生活するために必要なスキルを取り戻せるようにサポートする職種である。
例えば、手の機能が低下している患者に対して、箸やペンの持ち方を指導し、日常生活における自主性を取り戻させることが主な役割だ。
言語聴覚士(ST)も、重要なリハビリ職種の一つである。
言語聴覚士は、コミュニケーションや食事に関する機能の回復をサポートする役割を担う。
脳卒中などで言語機能が失われた利用者に対して、発音練習や言葉の理解を促すトレーニングを行うのも言語聴覚士の役割だ。
また、嚥下機能が低下している場合には、食べ物を安全に飲み込むための訓練も行う。

言語聴覚士とやや重なる部分もあるが、精神保健福祉士(PSW)は、精神的な問題を抱えた利用者に対してカウンセリングや社会復帰の支援を行う職種だ。
患者が自尊心を取り戻し、社会での生活を再構築できるようにサポートするのが主な役割である。
他にも、運動指導士や音楽療法士、アートセラピストなど、さまざまな専門家がリハビリテーションに関わっている。
リハビリテーションの現場ではこれらの専門職がチームを組み、協力してリハビリテーションを行うことで、利用者の生活の質を向上させることができるのだ。